英語力UP高校3年間プラン

中学時代から英語が苦手だった高校生1年生が3年間で共通テスト8割取得するためのスケジュール

他教科に比べて英語が苦手なので、足を引っ張らないようにしたい!
何とかして英語力をアップして、志望校に合格したい!

いつまで作戦のない戦いを続けますか?現実として多くの人は気付きません。

大学進学希望であるが、他教科に比べて英語が弱い人、そして英語をとにかく伸ばしたいあなたのために、現役教諭である私が解説していきます。

こちらをお読みになっている方の中に、高校3年間で英語を伸ばすという目的に向かう際、次のような考えを持つ方はいらっしゃいませんでしょうか?

・どのような教材をどのような順序で学習すればよいか分からない・・・

・ひたすら頑張ればどうにかなるんじゃないの?

・高校3年間で十分力が付くんだろうか

現場英語教諭20年の視点を持ったこの記事が参考になれば嬉しいです。

お読みいただくと(またはYouTube動画を作っていますので、こちらを見ていただければ)

3年間の流れがご理解いただけるかと思います。

なぜ高校3年間で英語力が伸びないのか

進学校の英語教育の問題点

(1) 3年間を見通した計画がない学校も多い

 教員・学年によって教え方が違う

(2) 成績が伸びている実感がない

 生徒も先生も達成感が少ない

 高校入学初期に英語に掛ける時間が少ないと伸びないことを教員が生徒に教えきらない

★高2、2学期(9月)には入試問題を使った英文解釈(和訳)演習と長文読解演習に入ることを想定した早めの進度を保てない

(3) 進学への影響

 英語の弱さが進学実績に影響する

原因

(1) 先生の異動

 先生が変わると教え方も変わる

 学校独自の一貫した指導プランが存在しない

(2) 経験と連携の不足

 ブラック労働が報じられ10年以上が経っており、教員不人気による進学指導経験のない若手教員の増加

 学年間の情報共有が不十分

(3) 対応方法の偏り

 集団指導に自信が持てず個別指導に頼りがち(先生たちの負担が増える)

改善するには

 自分の身を自分で守る3年間を見通した学習プランを知り、

 自分で能動的に、積極的に実行し、

 学校や塾を良い意味で利用する。

参考書は買わなくていいの?

学校の教材だけで十分です。ただし、世間には有用な参考書がありますので、私が特別にピックアップした3冊を紹介します。同テーマでYouTube動画も作成しています。

(1)竹岡 広信 著『入門英文問題精構』1年冬休み~2年1学期にクリア推奨

(2)関 正生 著『英語長文問題 ポラリス1』2年2学期~2年冬休みにクリア推奨
    可能ならば『英語長文問題 ポラリス2』2年冬休み~2年3学期に

(3)関 正夫 著『The Rules 英語長文問題集1』2年2学期~2年冬休みにクリア推奨
    可能ならば『The Rules 英語長文問題集2』2年冬休み~2年3学期に

それでは早速見ていきましょう!

以下に学年ごと、学期ごとにやることを提案(提示)しています。

参考にしていただき、学習プランに役立ててください。

1年

【1年生全般をひとことでまとめると】

 4月中に学習習慣を身に付け、冬に(秋でもよい)英検準2級を取得しましょう。

英検対策については、YouTube動画を作成しています。

動画タイトル:【準2級&2級】英検合格も手に入れて、大学合格も達成する勉強法とスケジュールを徹底解説

1学期

 ・「毎日やるべきこと」を確認する(別記事あり)YouTube動画も作りました) 

【毎日やるべきこと:英単語暗記とリスニング強化】
 オススメ単語帳:ターゲット1900・Leap・システム英単語 のうち1冊
 (学校で採用されたものでも可能)
 オススメリスニング勉強法3選:
 (1)復習としての教科書音読・オーバーラッピング・シャドーイング
 (2)VOA(学習者向けリスニングサイト)
 (3)TED(レベルが高いので、英検準2級取得後がいいかも)

 ・予習と週末課題のリズムに慣れる(復習は余裕があれば音読を)

 ・この時期には、学校の教材だけで十分!
  しかし、どうしても不安な方の文法学習には、次のものをオススメします。
  大岩 秀樹 著 『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』

夏休み

 ・英検準2級を1月(9月でも可)に受験する対策を始める(過去問テキストと単語帳を購入する)

  旺文社が発行しているテキストを推奨;旺文社『pass単』・『過去6回全問題集』

 ・読書、遊びの計画、インターンシップ、ボランティアなどの探究的活動をする

 ・Graded Readersによる多読(または多聴)

  テキスト例:Oxford Bookworms Level 0~1程度)

  (可能ならば、Oxford Reading Clubアプリに課金すると良い)

2学期

 ・予習・課題・英検準2級対策を継続

 ・教科書長文復習としての音読を行う(忙しい場合は土日のみで良い)

 ・文法4択問題を1年3月までに仕上げるつもりで習得し続ける

  テキスト:学校の教材で良い
   理解が終わって、問題演習がたくさんしたいならば・・・
    関 正生 著『英文法 ポラリス0』(理解が終わってからね!)
   ※『英文法 ポラリス1』は、2年生夏休みに一気にやっても良い

冬休み

 ・英検準2級対策(2次試験対策は経験を積んだALTと日本人英語教師と最低1回ずつ)

 ・Graded Readersによる多読(または多聴)

  テキスト例:Oxford Bookworms Level 0~2程度)

  (可能ならば、Oxford Reading Clubアプリに課金すると良い)

 ・忙しい場合は、冬休み課題をきちんと行い、「きょういち先生」のYouTubeライブ配信に毎日来るだけでも良い

 ・学校の授業についていけない場合は次の教材(購入は必須ではないが、素晴らしい本)
  肘井 学 著『肘井学の読解のための英文法 入門編』
  ベテラン英語教師ならば、この参考書レベルの授業は出来る(はず)

3学期

 ・英検準2級受験

  → 終了後、一息ついて2級対策開始(過去問テキストと単語帳を購入する)

 ・共通テストを解いてみる(少なくとも国語・数学IA・英語は解く)

 ・2年2学期から入試問題演習ことを念頭におきながら学習

 ・英文解釈練習 竹岡広信 著『入門英文問題精構文』
  関 正夫 著『英文解釈 ポラリス1』でも良いが、竹岡のほうが量が多く、急激な難易度上昇がない。

春休み

 ・課題に丁寧に取り組む

 ・英検2級対策継続

 ・Graded Readersによる多読(または多聴)

  テキスト例:Oxford Bookworms Level 0~2程度)

  (可能ならば、Oxford Reading Clubアプリに課金すると良い)

2年

4月▶秋に英検2級取得を目指してスタートダッシュ。(同時期に)2年2学期に(和訳・読解等の)入試問題演習を始めることが超重要。

1学期

 ・文法4択問題の取りこぼしがあれば再復習&語法・構文にもチャレンジ

  テキスト:Vintage(難しすぎる場合もあるので、以下をやっても良いが、是非Vintageを頑張ってほしい)(文法部分だけでもOK)
 関 正生 著『大学入試問題集 英文法ポラリス1』(学校教材だけでは不十分な人向け)

 ・『入門英文問題精構』のあとに、関 正夫 著『英文解釈 Polaris 1』をやってもいいが、必須ではない。むしろ、『入門英文問題精構』をしっかりと定着させた方が良い。(この時期までが大きな勝負)

夏休み 

 ・2年2学期から入試問題演習に入ることを頭に入れながら学習

 ・今まで書いてきた2年1学期までに習熟すべき教材等が終わらなかったら、この時期が本当の勝負

 ・英検2級対策追い込み
 (2次試験対策は経験を積んだALTと日本人英語教師と最低1回ずつ)
  採点基準を知っている(英検面接官経験のある)教員にお願いする

2学期【超重要時期】

 ・英語検定2級受験 → 準1級にチャレンジするかどうかは教科担当と要相談
 (難関・準難関を受けないのであれば準1級は基本的には不要)

 ・入試問題を用いた読解演習開始(最初はなるべく英検2級 or 共通テストレベルのカンタンな4択問題→記述問題にチャレンジしていく)

 (共通テストレベル → 中堅私大・国公立大レベル → MARCH → 旧帝大レベル)(旧帝大レベルは、解かなくても良い)

 テキスト:学校の教材で良い。が、不安ならば以下の2冊(早く終わらせて、更に2冊終わらせられれば素晴らしい)

 (1)関 正生 著『英語長文問題 ポラリス1』

 (2)関 正夫 著『The Rules 英語長文問題集1』

 ・和訳演習開始(難解なものにも少しだけ挑戦する)

  テキスト:『基礎英文問題精構』など(ただし、少々難しいのでテキストの半分が2年3学期終わりまでに終われば良い;あとは放置でも良い)
  『基礎英文問題精構文』が難しすぎるならば、『英文解釈 ポラリス1』も可

【※生徒が決めることではないが、理想を言えば2年9月以降は、週末課題の英語は出さないでほしい】 

【ここまでにある程度、入試英語の基礎が身につかないと他教科に時間をまわせない】

冬休み

 ・徐々に一人ひとりのニーズに合わせた学習(国語・数学の仕上がりを確認&3年時の理社の学習をどうするか作戦を立て始める)(ただし、語彙学習だけは短時間でも続ける;語彙はいくらあっても困ることはないし、やらないと忘れるから)

 ・志望大学があれば、共通テストと2次試験の目標得点率を計算してみる

 ・余裕がある場合のみ次の2冊をやる

 (1)関 正生 著『英語長文問題 ポラリス2』

 (2)関 正夫 著『The Rules 英語長文問題集2』

3学期

 ・実施後すぐ、共通テストの問題を全教科解く

 ・3年時からは他教科が忙しくなるという覚悟の上での行動

 ・入試過去問題演習のレベルを上げていく

 ・語彙・文法・構文の抜け漏れを埋めていく

春休み

 ・志望大学学部学科の直近に実施された問題を解く

3年

(一人ひとり違うので、オーダーメイド形式だが・・・)

3年時にやることの具体例

 ・過去問題(2次試験)を1年分解いて(それ以上は解かない)、対策を信頼できる教員に相談する

 ・体調管理(ご飯を食べる・睡眠を取る・体調管理の難しい冬が入試本番だという意識)

 ・英語の時間は減らし、他教科へ(入試は総合力)

  他教科に勉強時間を振ってよいが、スキマ時間に語彙力だけは増やし続ける

 ・あらゆる問題演習、やり直し、覚え直し等、最後まで諦めない

 ・模擬試験が多いので点数が安定しないと精神面が安定しない

  (家族・友達と話して発散できればよいが、難しい場合は

   定期的に英語教師・担任・養護教諭に面談してもらうと良い)

  (ただし、他教科に比べると英語は点数を安定させやすい教科)

 ・和文英訳と自由英作文の演習は最低でも週1回以上

  (和文英訳の添削は最初はAIへ・自由英作文の添削はALTへ・たまに日本人英語教師)

  (入試直前期は、日本人英語教師へ←おおよその採点基準を知っているはずだから)

 ・共通テスト対策は12月でも良い

  (不安ならば11月初旬から土日を使って、

   80分計って問題を解く;時間配分の訓練をしっかりやる)

 ・共通テスト後は3者面談→出願したらひたすら過去問対策

 ・小論文、面接対策が必要ならばすぐ取り掛かる(特に後期対策)

【補足1】目標の持ち方(例)

(1)【長期目標】

 ・志望大学・学部・学科を(少なくとも高校入学当初より)明確にする

  →教師・親・自分「調べなさい・調べてみます」は厳禁

  →最低でも「マナビジョン等のサイトを用いて、分野診断をして、担任に報告する」

  →志望大学・学部・学科について、合格最低点を把握し、

   共通テストが8割取れた場合の2次試験の得点率を計算しておく

(2)【中期目標】これが大切

 ・年5回実施される定期テストで結果を出す

 ・年2~3回実施される模擬試験で結果を出す

 ・年2~3回受験可能な英語検定で級を取得する

 ・月1回、単語テスト・文法4択問題テスト など

(3)【短期目標】

 ・定期テスト予想問題をAIに作らせて、回答してみる

 ・学期終わりにスピーキングテスト

 ・学期終わりと夏休み、冬休みに英単語テスト

【補足2】毎日やるべきこと

・語彙の習得(毎日10~30分程度;スキマ時間で)

 (単語帳はターゲット1900レベル1冊でいいが、

  模擬試験や、英検の勉強、入試過去問題に出てきた単語は全部覚える)

 (可能ならば2冊目として、Duo3.0または、リンガメタリカを覚えたい)

・リスニング(毎日10~20分程度)(音読&シャドーイング)

 (自分がちょっと難しいかな、と思うレベルのものであれば何でも良い)

 (基本的には教科書の本文&英語検定のリスニング対策 → VOA → TED)

・学校の予習・課題&他教科も含めた自学自習(平日120分・休日180分以上)

 (正直なところ、これさえできていればどうにかなるが、

  9割以上の高校生はできない▶大抵は諦める or 塾に行く)

 (だからこそ、「きょういち先生」のYouTubeライブ配信に来てほしい

  来ていただき、起床時間と帰宅後の学習・To Do&振り返りメモ書きの習慣を付ける)

【補足3】長期休暇中にやるべきこと

・単語テスト&文法テスト

(ネットにpass単レベル掲載単語が載っている▶AIで出力or教員に一括作成してもらう)

(文法テストは教員にデータをもらっておき、AIで出力or教員に一括作成してもらう)

・Graded Readersによる多読(または多聴)

  テキスト例:Oxford Bookworms Level 0~4程度)Level 5以上には上げなくて良い

  (可能ならば、Oxford Reading Clubアプリに課金すると良い)

【補足5】検定

(英検準2級 → 2級 → 準1級)取得(準1級は必須ではない)

(TOEIC・TOEFL・IELTSでもいいが、英語検定が取り組みやすく、一般的。
 かつ、難易度がそれほどでもなく、読む・書く・聞く・話す、という4技能を伸ばし、
 達成感を得るために有効な検定である。)

【補足6】進路を考える

進路志望をぼちぼち考えつつ、できれば2年当初(または2年冬休み終わりまでに)

 とりあえずでもいいので自分の志望大学の過去問題を解き、

 過去のデータを参照し、合格者平均点から、取得すべき共通テストと2次試験の割合を

 計算し、目標を立てる(東大京大等を志望する場合は1年冬休みに行う)

 (ただし、医学部医学科の場合は数学科の担当教員と打ち合わせ)

 (東大京大等の超難関大の場合もちろんそれ以外も、全教科担当者と打ち合わせ)

まとめ

本記事では、現場教師目線で、他教科に比べて英語が苦手な大学進学希望者が共通テスト8割を取得する3年間スケジュールを見てきました。

参考になりましたら、途中にありました別記事や、YouTube動画を参考にしていただき、他SNSにも遊びに来てください。

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