はじめにあなたに質問です。
英語を伸ばすために、毎日何をやるべきか、本当に自信を持って言えますか?
あるいは、誰かから「これをやるべき!」と聞いたことがありますか?
英語の学習法は巷にあふれており、どれが本当に有効なのか判断に迷いますよね。
この記事では、英語学習の本質を突きながら、科学的根拠と現場の実例に基づき、「毎日やるべきこと」を徹底解説します。
はじめに:その努力、報われますか?
あなたは今、どんな気持ちでこのページを開いたでしょうか。
「英語を頑張っているのに伸びない」
「とにかくやらなきゃと思うけど、何をすればいいかわからない」
「いろんな方法があって、正解が見えない」
そう思っているなら、この記事はきっとあなたの支えになります。
なぜなら、ここでは20年以上の教育経験と、記憶心理学・言語習得理論に基づきながら、「英語が伸びる人が必ずやっていること」を明らかにしていくからです。
学習の比喩:英語は「水泳」に似ている
英語学習を「水泳」にたとえてみましょう。
水泳ができるようになるには、
- 筋力や持久力といった体の基礎
- フォームや息継ぎの技術
- 実際に水に入る練習
が必要ですよね。
英語も同じです。
- 単語や文法 → 筋力(基礎)
- 読解や作文 → フォーム(技術)
- リスニングやスピーキング → 実践(水の中)
つまり、基礎と実践をバランスよく積むことが、英語上達のカギなのです。
よくある誤解:「とにかく長文を読めばいい」?
英語を伸ばしたいと考える高校生や社会人にありがちなのが、「長文読解」や「英作文」ばかりに力を入れてしまうこと。
もちろん大切なスキルですが、基礎がない状態でこれらに取り組んでも、効果は限定的です。
たとえるなら、泳ぎ方を知らないままプールに飛び込むようなもの。溺れかけながらなんとなく前に進んでいるだけかもしれません。
本質的な問い:「毎日、何をやればいいのか?」
学習には限られた時間と集中力しかありません。
その中で「何をやるか」は、最も重要な選択です。
その答えを導くために、ここでは科学的視点からもアプローチしてみましょう。
第二言語習得理論(SLA)からのヒント
言語習得に関する研究では、「インプット仮説(Input Hypothesis)」という有名な理論があります。
これは、スティーヴン・クラッシェン教授が提唱したもので、次のように言われています:
「人は、自分の現在のレベルより少しだけ難しい(i + 1)のインプットを、理解可能な形で大量に受け取ることで言語を習得する」
つまり、読める・聞けるレベルの少し先を、毎日浴びることが必要なのです。
また、心理学では「反復効果(spacing effect)」が重要視されています。
これは「短時間×高頻度で繰り返すことで、記憶はより定着しやすい」というもの。たった1回の長時間学習より、毎日10分の継続の方が遥かに強力だと証明されています。
そしてたどり着く、2つの答え
それらの理論や現場の実践から導かれる「毎日やるべきこと」が、次の2つです。
1. 単語暗記
語彙力は、すべての英語スキルの基礎です。文法も読解もリスニングも、語彙がなければ理解できません。
2. リスニング練習
聞こえない音は発音できませんし、聞いて理解できなければ会話も読解も進みません。音声知覚の訓練は最優先です。
この2つは、まさに「英語の筋力と肺活量」を鍛える部分。泳ぐにはまずここが必要なのです。
具体的な1週間の学習スケジュール例
月〜金(平日)
- 朝:単語暗記10分(前日+新出10語)
- 通学・通勤:英語音声5〜15分(シャドーイングor精聴)
- 夜:復習10分(単語チェックと聞いた音声の確認)
土曜(インプット集中日)
- 単語まとめ復習30分
- リスニング:1本の長め教材(TEDや英検リスニング)を精聴
- 音読・シャドーイング30分
日曜(アウトプット+自由)
- 英作文10分(日記・SNSでも可)
- 好きな英語動画・映画を英語字幕で観る
- スピーキング練習(AIチャット、録音してフィードバック)
単語学習とリスニング教材の選び方
単語帳選びのポイント
- レベル別:自分に合ったレベルから始める(例:英検準2級〜2級)
- 例文つき:単語の意味と使い方を同時に覚える
- 音声あり:音でも覚えられる構成
おすすめ:『ターゲット1900』『システム英単語』『キクタン』
リスニング教材選びのポイント
- スクリプトがあること
- 再生速度調整できること
- 自分の興味に合っていること
おすすめ:NHK WORLD、VOA、TED、BBC Learning English、YouTubeの英語学習者向けチャンネル
モチベーションが続かないときの対処法
1. 目標を明文化する
「〜までに英検〇級を取りたい」「大学入試で8割取りたい」など、目的を紙に書いて見える場所に貼っておくと、意識が変わります。
2. 記録をつける
1日5分でも「やったことを可視化」すると、達成感が生まれやすくなります。手帳やアプリを活用して、「継続」の自己肯定感を得ましょう。
3. 習慣のトリガーを決める
「朝ごはんの後に英単語」「お風呂の後に英語音声を聞く」など、既存の習慣と組み合わせることで続きやすくなります。
4. 週1回は「好きな英語」に触れる日を設ける
ゲーム実況、映画、YouTubeなど、楽しいからこそ続く英語も大切です。
英語学習の科学的メカニズム解説(脳・記憶・心理学)
ワーキングメモリと長期記憶
語彙を覚えるとき、最初は「ワーキングメモリ(短期記憶)」に入りますが、これを繰り返し使うことで「長期記憶」へと移行します。
長期記憶への移行には「繰り返し(repetition)」「意味づけ(elaboration)」「文脈(context)」が鍵です。
感情と記憶の関係
人間の脳は「感情を伴った記憶」を強く定着させます。 つまり、「楽しい」「面白い」と感じる教材を使った方が、学習効果も高いのです。
認知負荷理論(Cognitive Load Theory)
一度に複数のことを学ぶと負荷がかかり、記憶に残りづらくなります。 → 1回の学習では「1テーマ」に絞るのが得策です。
英語力が伸びた生徒の実例紹介
ケース1:偏差値40から共通テスト英語80点突破
高2春に単語とリスニングに集中。毎日30分の習慣を半年継続。文法や読解は後回しにして基礎力を固めたところ、一気に読める英文量が増え、模試のスコアが急上昇。
ケース2:英語が苦手だった理系男子が英検2級合格
音声中心のシャドーイング学習を導入。好きな科学系YouTubeを英語で視聴し始め、英語への抵抗が減った。半年で英検準2級→2級合格。
よくあるNG学習法とその修正
NG1:単語を日本語訳だけで覚える
→ 修正:例文で覚える、音声付きで聴く
NG2:文法書を最初から全部読む
→ 修正:「必要なときに調べる」辞書的活用
NG3:聞き流しだけのリスニング
→ 修正:精聴と多聴を組み合わせる。スクリプトを確認する
まとめ:英語学習の「正しい努力」を今日から始めよう
英語を伸ばすには、才能よりも「正しい努力の継続」がものを言います。
「毎日やること」は単純だけれど奥が深く、誰でも取り組めることです。
- 語彙力と音声知覚力の土台を築くこと
- 科学的に正しい反復と習慣化の工夫
- 心理学と記憶のメカニズムを理解すること
これらを意識して学習することで、英語力は確実に積み上がっていきます。
最後に、今日からやることは1つだけ。
「明日も英単語10個と英語音声5分だけ続けよう」
その一歩が、あなたの未来を変える力になります。
※今後も最新の英語学習法、教材レビュー、実践例などを紹介していきます。ブックマークやSNSシェアしていただければ幸いです。
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